2008年09月05日

仕事と子ども 〜其の一〜

 親戚に教員が多かったせいかもしれない。結婚をして家庭に入り専業主婦になりたい、とかお母さんになりたい、という願望は小さい頃からなかったような気がする。また、私の母は教員ではないが、ある時から働き始め、そんな背中を見て育ってきたせいか、結婚しても仕事をしたいという願望は、中高生くらいからあったように思う。

 大学生になり、教職課程の授業を履修すると、民間企業への就職も大変だが教員への道も狭き門、コネでもない限り何年が就職浪人する覚悟がないと難しい、ということを知り、私はひどく悩んだ。

 奨学金を返還しなくてはいけないから、就職浪人は出来ない…。「本気で教員になりたいなら、就職浪人も許すよ。」と父は言ってくれたが、奨学金を返還するのは私だし、下には弟が2人いて、まだまだ教育費がかかるだろうから、と思ったら民間企業でもいいから、まずは正社員になって、自立しなくてはと強く思った。
 
 文学部出身なんだから、と教育関連の出版社とか印刷会社を中心に就職活動を進めるが、当時は“超”がつく就職氷河期。書類選考すら通らないことも。より好みしている場合じゃないし、と流行りのIT関連企業や、女性社員が多い消費者金融なども回ってみるが、志望動機がイマイチだから、面接官にはスグばれる。

 3年生の秋から準備を始め、2月から企業訪問をしていたにも関わらず、5月末の時点では内定ゼロ。先行き不安のまま、教育実習に突入してしまった。予定では教育実習が始まる前に、内定が欲しかったので、この頃はホント辛かった。

 人生で最も辛かった時期は?と聞かれたら、大学4年の5月と迷わずに答えられる。振り返ってみても、がんと告知された時よりも、よっぽど辛かった。一体どれだけ過酷な就職活動をしてたんだ?と今なら笑いながら思えるが、若さゆえの不器用さ、とでも表現したらいいのだろうか、とにかく当時は思い詰めていた。「有名大学の学生が、就職活動で内定が出ないのを苦に電車に飛び込む」というニュースを聞いたことがあるが、その気持ちに共感してしまったほどだ。

 結局、関西に本社が、東京に支店がある印刷会社から1コだけ内定が出たので、そこに行くことにした。就職と同時に一人暮らしをしてみたいな、と思っていた私には願ったり叶ったりだった。

 社会人になると同時に親元を離れて、一人暮らし。苦労の末に入社した会社だったが、印刷会社ゆえになかなかハードな毎日が続いた。予期せぬ休日出勤や深夜残業も当たり前、そんな生活が日常になってきた頃、メェメェと出会った。そして秘密の社内恋愛。

 この頃には、この会社で共働きは色々と難しそうだと気付いていた。ちょうどメェメェの先輩社員に当たる人に、子どもが生まれたばかりだったが、旦那さんの帰りが毎晩遅いし休日もほとんど仕事だから、奥さんが育児ノイローゼ気味になっているらしい、というウワサも知った。

 この先輩、年賀状などに盛んに「子どもはいいよ〜」と書いていたが、実際にそう思っているのは本人だけで、奥さんは本当にそう思っているのかどうかナゾ、だった。「仕事仕事で私たち家族のことは二の次じゃないの。外での仕事も大変だろうけど、子どもの世話だって休みもないし大変なのよ!」という奥さんの声が聞こえてきそうだった。

 20代前半だった私は、こんな将来はイヤ、と真剣に思ったものだ。苦労して入った会社だったけど、体を壊しては何にもならない、このままでは忙しさの余り、メェメェと共倒れになるかもしれない、そう危惧した私はこの会社を辞めることにした。ソルトレークシティオリンピックが始まるちょっと前の出来事だった。

 
posted by スマイリー at 14:10| Comment(4) | 子どもについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昔 印刷会社のメンズと何回かコンパをしたけど、みんな疲れてて
「会社に殺される」
って言ってた。

私も帰りの遅い旦那との子供ができたら育児ノイローゼになる自信がある!

子供の泣き声が大嫌いなので。。。
Posted by RIRO at 2008年09月05日 17:49
◆RIRO さま◆
そう、まさに「会社に殺される」と思ってました。シコリが出来始めたと思われる時期と一致しますし(+_+)

企業戦士なんて言葉があるけれど、妻子を盾にとられて「働け〜」と言われているその姿は、現代版“参勤交代”だよね、と思ってしまいます。

不景気だから仕方がない、家族を養うためには止むを得ない、のかもしれませんが、もうちょっと何とかならんのかね、日本人の仕事のあり方は、とこの頃から思ってました。
Posted by スマイリー at 2008年09月05日 21:50
就職氷河期。よくききます。
私のときも氷河期でした。その頃は、電車で女性が日経を読んでいるだけで目立った。結婚はともかく出産ではまず辞めました。そういう常識だったのよ!

しかし、女子の就職はバブルの一時期をのぞいて常に氷河期なのかしらねえ。
でも働き方そのものもあんまり変わってないでのですね。時間て人生そのものなのに・・・
Posted by whitebird at 2008年09月06日 08:52
◆whitebird さま◆
就職活動中「結婚後や出産後も働きますか?」「5年後10年後のキャリアプランは?」なんて質問が結構ありました。

それを聞いた友人のお母さんは「企業もバカねぇ。就職活動中の学生なんて今が一番必死なんだから、そんな将来のことまで考えられるワケないじゃないの!」と言ったそうです。さすが(^。^)y-.。o○

働き方、変わった部分もあるんでしょうけど、根本的な問題は未解決のまま、な気がします。


Posted by スマイリー at 2008年09月06日 21:40
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