2008年10月17日

人生の三大出費

 保険の仕事をしていた時に聞いた話だが、住宅費・教育費・老後の生活資金が、人生の三大出費なのだという。中でも教育費は、特にお金を掛けなくても、一人当たり2000万円近くかかるのだとか。この話を聞いて、当時20代半ばだった私は「子どもはいなくても生きていけるけど、住宅費は買うにせよ、借りるにせよ掛かるのね。」と思い、子どもよりも先に家を何とかしよう、と思った。

 また「ウチも父親が病気をしなければ、家を建て替える予定だったんだよ。だから俺の夢はソファのあるリビングで寛ぎながら野球観戦をすることなんだ。」という話をメェメェから聞いていた。だからメェメェの首にシコリが、経過観察の後に無罪放免となった時には「父親の二の舞になっては大変だから今のうちに」とマンションを手に入れることに大きなためらいはなかった。

 で、いざ新居に住み始めると「もう少しこのまま二人きりの時間を…」なんて思い出した。特にメェメェなどは「子どもが出来たら汚されたりしないだろうか…」と心配になったようで、結婚前には「そりゃ、いつかは子どもは欲しいよ!」と言っていたのが、あまり言わなくなった。

 そして「子ども、どうしようかねぇ。」なんて言っているうちに、私の乳がんが発覚したわけだけれど、心のどこかでホッとしている自分がいるのも、また事実だったりする。だって、ノルバ服用中は妊娠出来ないから、結論を先送りに出来るもの。つまり、自分の親から「孫の顔を…」とせっつかれることなく、思う存分に仕事やテニスが出来、二人きりの時間を楽しめる、という免罪符を得た気分でもあるのだ。

 こんな楽しい毎日を過ごしているのに、それでも「この先も産まない!」という決断が出来ず、迷いが生じるのは、結婚前メェメェは確かに「いずれは子どもが欲しい」と言っていたから。私自身には結婚前から「子どものいない人生」という選択肢が頭のどこかにあったから、主治医が「子どものいない人生は寂しいと思うし…」と遠慮がちに、心配して下さった時も「あら、私は子どものいない人生を楽しむ自信、あるわよ!」と思ったけど、メェメェは違うだろうから。

 罹患後、何回か今後の妊娠について(いつまでノルバを飲むかについて)話し合ったけれど、メェメェ自身も「子ども」に対するメリットとデメリットが交錯しているらしく、その時によって欲しそうだったり、欲しくなさそうだったりと、ハッキリしない。もし、私たちのどちらかに「絶対に子どもは欲しい!」という強い希望があったなら、ここまで悩むこともないんだろうけど、困ったことに、こんなところも似た者夫婦なんだよね。

 「ボクの患者さんの中にも、30代後半ですが治療が終わったら子どもが欲しい、と希望している人はいますよ。」「後はそれぞれの価値観の問題ではないでしょうか?」と言っていた主治医からしたら、私たち夫婦はちょっとヘンなのかもしれないけど、いざ子どもが出来てしまった時のことを色々と想像すると、これはこれで不安になる。

 教育費のこと、私の体のこと、仕事と育児は両立出来るのかということ、ゆとり教育やいじめなど現在の教育を取り巻く環境のことetc…。悲しいかな、「子どもが欲しい」という気持ちよりも「今のままでいいじゃないの?」という気持ちの方が勝っている、というのが本心かな…。おや?よく考えてみると、なぁ〜んだ、これじゃ、私の体のこと以外は罹患前に悩んでいたことと同じじゃ〜ん。

 いやいや、そんなこと言ってて「いざ子どもが欲しいと思った時には、授からなくて」なんてこともあるみたいだから、今悩むだけムダだよね〜。あ〜、もう、考えるのヤメ、ヤメ!最終的には、このような結論を出して堂々巡りを終える、というのがいつものパターンなのでした…。さて、明日もノルバ飲むとしますか。
posted by スマイリー at 18:51| Comment(4) | 子どもについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
全く同じ考えです。
私も乳がんになった時に心のどこかに
「子供を作らなくていい理由ができた」
という気持ちが湧きました。

私は再発のリスク・教育費・現在の教育環境も不安だけど、何より子供を見ても
「かわいい!」と思えないので、そんなものに人生を捧げてしまうのがどうしても嫌。。。

治療が終わる頃には気が変わってるかもしれないけどね〜
Posted by RIRO at 2008年10月18日 16:37
◆RIRO さま◆
メェメェや親が「子どものいない人生も悪くないよね」と本心から思ってくれるようになったら、私もこんなに悩まないのですが…。
ま、時間が解決することなんだろうけど。時々心の中に相克が生じて苦しくなるのよねぇ。
Posted by スマイリー at 2008年10月18日 18:17
私もどちらかというと「子どもはいらない」派ですが、
ホルモン療法を始めるにあたって、
いざ「治療中は産めない」状態になると
最初はちょっとショックだったりもしました。
「産まない」のと「産めない」って
気持ち的にもこんなに違うんだな〜って。

ただ・・・いざ治療が始まって来るものが来なくなると・・・
ホント楽チンだな〜と(笑)

やっぱり子どもはいいや・・・というのが今のところの気持ちです。
Posted by うさぎ at 2008年10月19日 00:42
◆うさぎ さま◆
私も「子どもが産めなくなる可能性もある」と知った時はショックでしたが、治療が終わって産んでる人もいる、と知ったら急に「ホントに欲しかったら、とっくに産んでるって」という気持ちに変わってしまいました。現金なもんです。
DINKSライフに慣れてしまうと、これはこれでとても幸せだから…と思うんですよね。
Posted by スマイリー at 2008年10月19日 20:45
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